活動報告/2月対談

活動報告/2月対談

理事長対談報告

2月に藤澤町長との対談が行われました。

対談

岩崎理事長
藤澤町長、本日はありがとうございます。
まず初めに、日野町は今年の3月で60周年を迎えられるということで、町長として60年目を迎えるにあたってのお気持ちと、また更にどういった町にしていきたいかという熱いお気持ちをお聞かせいただきたいと思いますので宜しくお願いします。

藤澤町長
ありがとうございます。日野町が3月16日に町制60周年記念を迎えます。昭和30年に1町6村が合併しました。最近は、平成の大合併により全国で3200の市町村が1800になりましたけども、日野町が日野町として60周年を迎えるということは大変ありがたいことだと思っています。昭和の時代から色々な社会状況の変化がある中で、一歩一歩産業や福祉や教育も含めてこの町が歩みを進め、これからも頑張っていこうという気概を持っていただいていることは素晴らしいことです。もともと日野というのは千年以上前から名前が古文書の中にはでており歴史の深い町です。そして自然も伝統も文化も含めて豊かな所だと思います。そういう地域の中での歴史と伝統と文化をしっかり引き継ぐ、そして平成の大合併の嵐を超えてきました。自分達の地域のことは自分達で考え行動するという自治の力、自治の気持ちを更に広げて責任を持って地域や町の活動をしていこうじゃないかと、こういう気持ちを広げていくことが大事だなと思っています。日野町は農村部ですけど、工業団地もありますし近江日野商人発祥の地でもありますので、バランスの取れた町として今後も住民の皆さんとともに手を携えて頑張っていけたらと思っています。

対談

岩崎理事長
日野町のホームページなどを拝見させていただきまして、藤澤町長の想いというのは一番根底に人があって全てが波及している、そのように感じました。「自律の気概あふれる町をめざして」というスローガンを掲げておられますが、先ほど藤澤町長が言われました自治の力でありますとか、人と人との関わりそこから新しい町づくりの発展につなげていく、そのように私は捉えております。また、車座懇談会という場を設けられ、常に一般市民の方と町長との距離を近くされている、非常に素晴らしい方針の中で町づくりを進めておられると感じます。そういった中で、特に人づくりという部分がすごく大事で、そこから全て始まっていくと思っております。今年度、私は東近江青年会議所の理事長として「心・技・体」―自己成長から未来が生まれる―というスローガンのもと、活動させて頂いております。人づくりの中には青少年育成事業があり、その中でもわんぱく相撲を開催させて頂いております。体と体がぶつかることによって得られるものであるとか、相手の気持ち、そういったものがいずれ大きくなった時に生かされるのではないかという取り組みをしております。藤澤町長の中で人づくりという部分でこういったことを進めていきたいというようなビジョンはございますか。

対談

藤澤町長
おっしゃるとおり人が地域を支え、町を支えるので自分達で頑張ろうという人達が増えることが大事だと思っています。日野町の社会教育活動の中で1町6村が合併し7つの地区に公民館があり、そこで地域の活動については住民の皆さんから選ばれた公民館の運営委員さん達がそれぞれ考えてやっていく。運動会や文化祭をする、敬老会をするそういう取り組みを地域の役員の皆さんが中心となってやっていく。そういった部分が大変高い水準を持っている町だと感じています。地域で更に集落も含めて、それぞれの人に自分が役割を果たすという気概があって、そして周りの人達からあの人頑張っているなと言われる存在感がある、そんな雰囲気が醸しだされたらいいなと、それぞれ存在感があり役割を果たす。ここがやっぱり自治の基本なのかと思います。それは一般的には学校教育でも、教室の中でそれぞれの子ども達に存在感があって、あの子は勉強ができる、あの子は絵が上手、あの子は足が速いなどそれぞれの個性が磨かれて認められる。そしてそれを通じて自分の良いところを生かしてみんなのために頑張ろうという気が芽生える。そういうことが人の成長でもあるし、地域社会を大きく伸ばしていくことになると思います。一人ひとりの存在が認められて、そしてその一人ひとりが自分の役割を果たしていこうとする、そういう気概こそが自治の気概ではないかと思います。先ほど自律という言葉がありましたけども、誰も人は一人では生きていけないのです。人がそれぞれできる努力をしようということがあって、それが家庭になり、集落になり、地区になり、町になる。できることをそれぞれがやる、そしてそこに行政もしっかり加わっていく。町や市だけでやるのではない、そこに県は、県としての役割を果たす、国は国としての役割を果たす。それぞれが自らの役割と力を発揮して、すべての人のために努力する。それが自律であり、そういうことが相まって住民のみなさんの暮らしがよくなっていく。そういった気風を作るために、教育の場でも、更には公民館活動などを通じた社会教育の場でもやっていくことが大事だと思っています。

岩崎理事長
今のお話しを聞かせて頂いて、年代別に分けますと、子どもと、子ども達を育てる私達の世代と、そして私たちの親の世代と、その3世代がつながる機会を設けていくことが大事だと思います。そのつながりによって生まれる色々な教えや、伝統文化、そういったものが活かされ発展していくのかなと思います。日野町では空き家対策を積極的に推し進められていまして、商店街などの空き家を利用して人を増やしていく対策、そういった部分でも人が入ることによってまた地域とつながりが生まれ、その地域の人口が増えることによって様々なお付き合い、その土地の風習など理解していただきながら、自治から大きなつながりができていくと思います。この空き家対策を推し進めようと思われたきっかけを教えていただけますか。

対談

藤澤町長
それは農村部にあって、若い人達が都会に出ていくケースもありますし、高齢者だけの所帯もある、出ていかれて空き家が増えるってこともあります。そういう中で空き家を町に登録していただいて、貸したり売ったりする。町のホームページにもアップしやっていこうと決めて数年になります。今は日本全体でも、若い人達を中心に田舎に住んでみてもいいよ、住んでみるのもいいよねって気持ちが広がっていて、総務省の調査でも約半分はそう思っている人がいます。実際に空き家登録制度をスタートさせて、かつては定年退職者が田舎に住むという感じがありましたが、最近では20代、30代の方が「どこかいいとこないですか」と役場に来られます。田舎に関心を持って第二の人生を歩もうという人は意識の高い、自分の方針を持っている人だと思います。そういう人が地域に入れば地域と一緒になって新しい風が吹いて、そして人口減少に多少でも歯止めをかけるということで取り組みを進めてきました。田舎に入りたいという人の方が多くて空き家の提供の方が少ない状況です。行政も呼びかけていますが、もう一歩進んで地域の中で空き家ができた時に周りの人たちが帰って来ないなら老朽化していくだけだし売るか、貸すかしたらどうかとそういう声を地域からあげてもらって登録を増やしたいなと思っています。

対談

岩崎理事長
すごいですね。そうすることによって今現在、日野町の人口が約2万3千人、そういった部分でもすごく可能性を秘めた、対外に発信しやすい素晴らしいものがあると思います。町制60周年を迎え、新たなビジョンを作られるにあたってですね、私たち東近江青年会議所も来年の10周年に新たにビジョンを打ち出します。
私達と行政と新たなつながりをもつことで、また違う分野での発展や成長が見えると思います。現在ですが、どういった団体と日野町がコミットされているのか、また私達としても明るい豊かな町をつくるという大前提のもとにこの団体ありますので、何か私達にご要望というか発信していただけることがあれば教えて頂きたいなと思います。

藤澤町長
行政だけで進んでいくのではありません。逆に言うと行政というのは限られた分野なので、自治という意味では基本は集落自治、日野町では区長さんと呼んでいますが、集落の自治がしっかりすること。公民館をはじめとした地域の自治がしっかりすること。そういった分野があって、行政と一緒にことを進めているのが商工会や社会福祉協議会、青年会議所の年代に近い商工会青年部も元気に頑張ってくれていますし、商工会でも女性部など色んな部があるので頑張っていただいています。福祉の分野では社会福祉協議会の人達、子育ての分野でいえばPTAの人達、更には日野町で言えば学童保育所が小学校単位でありますが、行政が作って補助は出しているけども運営は保護者会がやっているという状況です。そういった色んな団体の人達と意見交換をしながら取り組みを進めています。青年会議所には日野町の会員の方もおられるので日野町において何か活動されるということであれば、それは連携できるところがあると思いますし、行政とだけではなくて商工会とも意見交換をされて、同じ事業を展開する団体として、議論をして何か事業をするということがあってもいいかなと思いますね。

対談

岩崎理事長
ありがとうございます。私たち町づくりの事業として二五八祭を主催させていただいています。今年で39回になる歴史ある祭りで地域に根付いてきております。また新たに対外的な発信をもっとしていかなければならない、それと二五八祭は東近江市の八日市から発信していましたので、もっと色々な地域を広げてひとつになっていこう、単発ではなくて継続のあることをしていこう、ということでやっています。今、日野町として町づくりの大きな事業、それを開催してどのような未来を描いておられるのか教えて頂けますか。

藤澤町長
2月8日から3月8日までは日野町のまちなかでは日野ひなまつり紀行という取り組みをやっておられて、それぞれの家庭がお雛さんを飾って、来訪者を受け入れるという取り組みを有志のみなさんの力で観光協会を中心にやっていただいています。また、日野祭という伝統ある祭りがありますし、夏には日野町は戦国武将の蒲生氏郷の生誕の地なので、氏郷まつりを商工会などと連携しながら花火を上げたり、盆踊りをしたり役場の広場でやっています。また9月のはじめごろには、商工会の青年部がマウンテンバイクの大会を山のふもとのグリム冒険の森でやっていて、全国から100チーム以上が参加して開催されています。秋には氏郷まつり秋の陣ということで、いわゆる二五八祭みたいな、かつての産業フェアを二日間開催しています。

岩崎理事長
ありがとうございます。
日野町のホームページなどから観光の部分をもっと進めていきたいと感じるのですが、実際に年間で観光客数、またリピーターというものはどれくらいの人数がおられるのか教えていただけますか。

藤澤町長
もともと1町6村合併して、その中の6村は農村部なので観光というのはほとんどありません。外から見に来られる観光としては、日野祭があり、鎌掛渓のホンシャクナゲ群落があります。もともとここは蒲生氏郷や近江日野商人発祥の地、製薬の地として栄えましたが、一大観光地ではありません。今、日野町が取り組んでいるのは近江日野田舎体験です。全国から小学生や中学生が修学旅行などで年間3000人を超える人がやってきています。この間は修学旅行で台湾の小学生が70人来ていましたし、今度はマレーシアからも来られます。

岩崎理事長
すごいですね。

藤澤町長
最近日野町によその町から来るのは珍しいことではなく、ベトナムや中国や韓国からも来られます。国内では神戸や東京から来られました。中学生の修学旅行は2泊3日ある中で、日野だけで全てを過ごされる修学旅行もあります。一般的には京都に1泊、日野に1泊というのが多いですけど田舎の家庭にホームステイをして、一緒に野菜を収穫し、一緒に食事を作り、一緒に田植えなどの体験をする。そういう事業が広がっていて、それは日野だけではなくて甲賀でもやっているし、奥永源寺だとか、愛東などでもやっておられるし、田舎の良さを子ども達の教育の中に生かしていこうと取り組みを進めたいと思っています。これからは、近江日野商人の三方よしの経営理念がありますので、会社の人材育成研修を日野でやりたいと思っています。昨年、近江商人の大きな屋敷を購入し改修しましたので、そこで近江商人の経営理念を学習しホームステイで交流しながら、コミュニケーション能力を高めてもらおうと思っています。今も日野商人館で企業研修を受け入れている部分もあります。それをもっと宿泊も含めて着地型の体験交流をしていきたいと思っています。小学校や中学校の修学旅行や野外活動で3000人を超える人達がやってきている、それはそれでもっと伸ばしていきたいけれど、更に新しいジャンルとして社会人や企業の人材育成研修を日野でやりたいなと思っています。

対談

岩崎理事長
おもしろいですね。地域資源をフル活用されていて、色んなイメージが湧いてワクワクしました。最後に町民のみなさんに一言お願いしたいと思います。

藤澤町長
日野町の第5次総合計画のキャッチフレーズは、『ひびきあい「日野のたから」を未来につなぐ 自治の力で輝くまち』というタイトルです。これは町がつけたのではなくて総合計画を40回以上議論した住民のみなさんの中で作られた言葉です。「ひびきあい」というのは、やはりみんなが協力し合って連携し合うこと、「日野のたからを未来につなぐ」というのは、日野には未来につなぐべき「たから」があるんだよ、まだ気づいていない部分も含めて「日野のたから」はあるんだよ、という自負と発見の想いがあって、そしてそうしたものはみんなの力で、自治の力でつないでいき、輝く町をつくるんだよっていうのが総合計画のキャッチフレーズです。住民のみなさんにはそういう気概をもっておられる方がたくさんおられます。自分達の町のことを自分達で考え行動するという自治の気概を持って役場行政とともにこの時代に向かってやっていこうじゃないかというのが一つですね。人は一人では生きていけないです。それぞれが協力して団結して、そこに行政が手を携えて、誰もが住んでいて良かったと言える町をつくるために切磋琢磨しながらやっていこうじゃないかと。誰かが言った言葉じゃないけども、世界で一番住民が暮らしやすいまちをつくるために努力しようじゃないかというのが私の想いですね。

対談

岩崎理事長
ありがとうございました。今の藤澤町長の想いを私達もしっかりと受け止めて、明るい豊かな町づくりのために頑張っていきますので宜しくお願いします。本日はありがとうございました。

藤澤町長
ありがとうございました。







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