理事長所信

公益社団法人東近江青年会議所2021年度 理事長所信

進化から真価

第15代理事長 珠玖 成生

はじめに ~現状認識~

新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界規模で混乱を巻き起こし、社会や経済、そして私生活にも甚大な影響を与えました。人と人の接触は制限され、仕事の在り方も変わり、子どもたちは学校に行きたくても行けない状況もありました。青年会議所も大きな影響を受け、大規模な事業は中止となり、会議もリモートで行うなど活動も制限されることになりました。当たり前だったことが当たり前でなくなった日々。今までの価値観が変容し、働き方や生活様式も変わり不安が拭えない毎日。今、コロナウイルスだけでなく、近年の異常気象や自然災害など、この日々変わる状況や生活環境に対して即座に対応し、先を見据えて行動する力が必要不可欠だと考えます。
「新日本の再建は我々青年の仕事である」と宣言し、戦後の荒廃の中で青年有志が立ち上がり東京にて青年会議所運動がスタートしました。我々のまちでも、1960年に旧八日市青年会議所、1975年に旧能登川青年会議所が発足しました。そこには共通して「自分たちのまちは自分たちでつくる」という強い当事者意識と高い志が青年会議所を発足させたに違いありません。いつの時代もその時の若者が道を切り拓いてきたように、今、この激変の時代を新たな時代と捉え、我々青年が志を高く持ち、覚悟と責任を持って、まちと連携した持続可能な新たな道を切り拓かなければなりません。

創設15周年 ~承前啓後~

今年度、東近江青年会議所は創設15周年を迎えます。能登川青年会議所32年、八日市青年会議所47年の歴史があり、1市6町の合併を受け、このまちをよりよくするため二つの青年会議所が合併し、今日の東近江青年会議所があります。まずは、歴史を振り返り、変わらず受け継がれていること、時代の変化に対応し進化してきたことを再認識する必要があります。そして、周年事業に向け、東近江青年会議所メンバーが志高く覚悟と責任を持ち、一致団結して取り組むことで、揺るぎない固い絆を結ぶ機会とします。また、周年事業として、15周年記念式典・記念祝賀会、15周年記念事業を行います。記念式典・記念祝賀会では、協力者や関係諸団体、歴史を紡いでいただいた先輩諸兄姉に敬意と感謝を表し、そして東近江青年会議所のこれまでの歩みとこれからの可能性を伝えることで、より強固な関係ができると考えます。記念事業では、このまちに今なにが必要か、我々は今なにをすべきかを考え、まちと連携した持続可能なインパクトのある事業を行うことで、市民がこのまちに希望や可能性を感じ、新たな道が拓けると確信します。

ひとづくり ~奉仕・修練・友情~

東近江青年会議所には奉仕・修練・友情という三信条があります。同じまちで仕事をし、家族を持ち、生活をするメンバーが、自分のまちをよりよくしようと地域課題に本気で取り組む中で、互いに切磋琢磨し高め合い、互いに成長すると考えます。本気で取り組むからぶつかることや言い合うこともあります。でもそれはお互いを理解し合えるタイミングです。相手に対して向き合って、互いに腹を割って話し合うことで、相手の気持ちが分かり、自分の気持ちも伝えることができます。大切なことは相手を思いやる心と、自分の非を受け入れる素直な心です。その心を持って取り組めば、メンバー同士の友情となり組織の絆ができると考えます。また、コロナウイルスを含む環境の変化に対して、団体も個人も適応する進化の力が求められています。この状況において、青年会議所活動を通して新たな試みにチャレンジしていくことが青年会議所メンバーの成長につながると考えます。

メンバーそれぞれで生活環境は異なります。その中で共通してあることは仕事をし、家族がいるということです。我々が青年会議所活動に取り組めるのも、協力的な理解者がいるからではないでしょうか。困難な時代だからこそ、周りの理解者に感謝をし、自分の青年会議所活動を伝えていきましょう。自分の行動に自信を持ち、身近な人に伝え、協力的な理解者が増えれば、それはメンバーの持続的な生活環境に繋がると考えます。

まちづくり ~二五八祭の進化、市民と連携した持続可能なまちづくり~

単年度制で組織している青年会議所のまちづくり運動とは、変わりゆく地域課題に対し我々が率先して行動し、その想いや意識を伝播し、市民の意識を変革することでその運動が波及していくことだと考えます。東近江青年会議所が継続事業として行っている二五八祭は、旧八日市市の顔づくりとして、まちのシンボルとなるように創り上げてこられました。今では40年以上続く祭となり、東近江地域でも数万人の来場者がある最大規模の祭となりました。毎年、その時の地域課題を捉え、我々の想いや意識を伝播する方法手法として二五八祭を開催しています。しかし、継続事業として毎年改善を行い効率が良くなっている反面、規模が大きくなり形に囚われている現状もあります。また、合併により東近江青年会議所となってから、会議の中でも開催エリアの議論が毎年のように行われます。これだけの規模で歴史ある地域に根付いた祭となった今、単年度で変化させることが難しいと考えます。今年度は創設15周年であり、また新たな5ヵ年ビジョンの最初の運動の年でもあります。この進化の年に、歴史を振り返り、二五八祭に対する今後の方向性を議論し、そしてこの困難な時代に我々はなにをすべきかを考え、二五八祭の中長期的なビジョンの検討が必要です。

「自分たちのまちは自分たちでつくる」という、強い当事者意識と高い志がまちづくりの原点です。それはそのまちで生活をしているからこそ生まれる想いであり、あるいはそのまちで育ち生まれてくる愛郷心ではないでしょうか。我々、東近江青年会議所メンバーはその想いを持った同志です。このまちで仕事をし、家族を持ち、生活をしています。まちのことを主体的に捉えられる世代だからこそ、また未来に繋ぐ世代だからこそ、感じることがあり気付くことがあります。その想いを市民に伝播し、この困難な時代の変わりゆく地域課題を捉え、市民とともに持続可能な新たな道を創り上げれば、このまちはよりよくなると確信します。

夢づくり ~子どもの可能性をひろげ輝かせる~

子どもは未来の希望であり、まちの宝です。そしてまちの鏡でもあると考えます。新たな5ヵ年ビジョンに、我々のまちは「誰もが夢を語れる思いやりのある豊かな地域社会」と方向性を示しました。まずは、素直で無限の可能性がある子どもが夢を語れるように環境を作っていかなければなりません。子どもが夢を持つためには可能性をひろげてあげることが大切です。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、子どもたちの様々な成長の機会が奪われました。生活様式が変わったことで、価値観も変容してきています。今一度、現状を分析し、子どもたちに今なにが必要で、我々になにができるのかを考え、まちや親と連携し、子どもの可能性をひろげる機会の提供が必要です。子どもが夢や希望を持ち、そして輝かせることができれば持続可能なまちの実現に近づくと確信します。

全メンバーでの会員拡大 ~拡大活動の進化~

今年度、創設15周年を迎えた東近江青年会議所ですが、会員数の減少が問題として上げられます。今後、東近江青年会議所が20周年、30周年と永続的に運動し、次代に繋げていくためには会員の拡大は必ず必要なことです。その必要性や危機感を東近江青年会議所メンバーが共通認識として持ち、全メンバーでの会員拡大に取り組まなければなりません。まずは、近年の拡大活動や会員数の傾向を検証・分析し、明確な目標を持ち、そして新たな拡大活動に取り組んでいきましょう。

新しい仲間が増えることは、組織にとっても個人にとっても成長に繋がります。青年会議所の様々な機会の中で、出会いはどのメンバーにとっても大きな要素ではないでしょうか。自分が入会するとき、また入会してから先輩に教えていただき気付いたことを、入会候補者や新入会員のメンバーに伝えていきましょう。今の東近江青年会議所の魅力を語れるのは現役メンバーでしかありません。それぞれが自分の言葉で魅力を伝え、全メンバーでの拡大活動に取り組みます。

組織運営・広報活動 ~時代に合った組織運営~

我々、東近江青年会議所はこれまでも時代の変化に対応し組織を進化させてきました。青年会議所の設立、法人格の取得、合併・名称変更、公益法人格の取得など、時代背景の中で名称変更や様々な諸規定の見直しを行ってきました。そこには常に組織をよりよくしようという想いを持ったメンバーがいたからだと考えます。定款も諸規定も運営に関しても、なぜそうなのか、こうすればもっと良くなるのではないかという視点を持って、必要であれば見直し時代に合った組織運営を行っていきましょう。

今年度は、創設15周年や新ビジョンの発表と対外に打ち出す内容が多くあります。我々の活動を市民に知っていただくためにも、年間を通して多くの情報を発信していきましょう。大事なことはタイミング良く、生きた情報を発信することです。事業や活動の魅力を伝え、市民に興味を持っていただき、市民から参加したいと思っていただければ、我々の運動は大きく波及していきます。

結びに

この困難な時代だからこそ、青年が志を高く持つ必要があります。まちのことを主体的に捉えられる世代だからこそ、また未来に繋ぐ世代だからこそ、我々が志を高く持ち、持続可能な新たな道を切り拓いていこう。今、なにが問題で、なにが必要で、自分になにができるのか。今日の常識が明日の非常識になるこの時代に、大事なことはしっかりとした現状分析と本質を見極める力です。そこから明確な目的を持ち、単発的ではなく持続可能な新たな道を切り拓いていく。そのように進化する力を身に付けることができれば、どんな状況になってもきっと未来は切り拓いていけます。

青年会議所には厳しい環境があります。その厳しい環境の中で、責任感と緊張感を持って活動するからこそ自己成長が生まれます。厳しさがあるからこそ、乗り越えたときに友情や感動が生まれる。やり切って気付く真の価値、それが青年会議所には必ずあります。ともに成長し、よりよい未来を創っていきましょう!

公益社団法人東近江青年会議所2021年度スローガン

自発

基本方針

1. 創設15周年の記念式典・記念祝賀会・記念事業の開催、記念誌の発行
1. 新5ヵ年ビジョンの発表と同時に1年目の取り組み開始
1. 全メンバーで挑む積極的な会員拡大
1. 二五八祭の進化、市民と連携した持続可能なまちづくり
1. 可能性をひろげ輝かせる青少年育成事業の開催
1. 運動を波及させる広報活動
1. 公益社団法人として円滑な運営
1. 滋賀ブロック協議会との連携
1. 各種団体との連携