公益社団法人東近江青年会議所
2022年度 理事長所信
ライフ・キャリア・レインボー
―彩輝く豊かな未来にPositive change―

はじめに
数年で世の中が変容した。新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活様式に多大な影響を及ぼし、仕事や家族のあり方、コミュニケーションのあり方などの常識を大きく変えたのではないだろうか。世の中はいつの時代も変化の連続だ。JC活動も、地域や社会の課題も、本質をしっかりと捉えたうえで、時代に合わせていく必要がある。これまでも能登川青年会議所と八日市青年会議所との合併、公益社団法人としての認可など、先輩諸兄姉は社会の潮流を見極めて歩みを進めてきた。また昨年は東近江青年会議所としての創設15周年を迎えるなかで中期ビジョン2020(「今」を「新しい明日」につなげる)を発表し、困難のなかでも立ち止まることなく新たなスタートを切った。時代が変わっても、私たちが目指すべき理想は不変だ。たとえ混沌とした世の中でも、明るい豊かな社会は必ず実現できる。普遍的な行動軸で変化を捉え、郷土の未来のために前に進もう。
ひとづくり
私たちは仕事や家庭、趣味など様々な場面において多くの役割(ライフロール)がある。関わる相手や置かれた状況によって日々、多彩に自分を使い分けて生きている。どれもが人生のキャリアの一部で、欠かすことはできないものである。与えられている時間は誰しもが平等だ。限られた時間のなかで、主体的に、エネルギッシュに役割を両立していくことでひとは磨かれ、人生は多層的に彩られていく。JC活動だって、今しかできないライフロールだ。今この瞬間に恵まれた機会を大切にしよう。JCには、JCでしかできない事、あなたしかできない事がたくさんある。求められる役割を意識し、今より少し険しい道を前向きに歩んでみよう。率先して行動する地域のリーダーとして自らを変えよう。誰しも時に苦しい場面があり、言い訳したくなることも承知だ。しかし、強い気持ちをもって一歩を踏み出せば、新しい景色が必ず見えると約束する。東近江青年会議所には多くの仲間がいる。メンバーの経験はもちろん、バックグラウンドや専門知識も様々だ。想いが強いほど、ときに価値観の違いにぶつかることもあるだろう。すれ違いは相互理解の過程ととらえ、互いの意見を尊重して心を開いて語ろう。愛をもって友を思いやり、同じ方向に足並みをそろえていけば、人も組織もきっと強く、より良い方向に変わる。私たちはどんな時でも同志だ。
まちづくり
変容する時代の真っ只中、郷土の豊かな未来を築くために、今を託されている私たちに求められていることは何だろうか。当事者意識をもってあるべきまちの姿を議論し、主体的に行動していくことが青年の役目ではないだろうか。まずは、まちの未来について皆で熱く語ろう。しなやかな発想を出し合うことで、私たちだからこそできるJC運動が創造されるはずだ。昨今、都会と地方との距離はある意味で無くなった。地域から世界中に発信することも可能な時代だ。地域はこれまで以上に、可能性や活躍機会が増していると言えるのではないだろうか。東近江地域は、鈴鹿から琵琶湖に至る自然に恵まれ、産業やチャレンジ精神に溢れた多様性ある豊かな場所だ。一人でも多くの市民がこの郷土を愛し、彩りあるキャリアを地域で描くことができれば、まちの未来は明るい。まちづくり事業として例年開催している二五八祭は、東近江青年会議所の最大事業である。通常開催が困難な時も、祭の在り方や本質を議論し、前を向いて新しい挑戦を続けてきた。数万人規模の来場を誇る二五八祭は、想いを市民に伝播させる絶好の機会だ。継続事業で築いてきたプラットフォームを最大活用し、私たちが目指す明るい豊かな地域づくりにつなげよう。
夢づくり
子供たちの未来には無限の可能性がひろがっている。将来どんな人間になって、どんな仕事に就き、誰と何処に住むのかも自由だ。しかし、変化の激しい今の時代には絶対的な安定や答えは存在しない。リアルタイムに多くの情報が飛び交う時代、優柔不断になって迷うこともあるだろう。子供たちが新しい時代の夢を描き、未来を切り開いていくためには、自分のモノサシをもって、自分で決断する力をつけなければならない。自分軸をもって人生をコントロールし、夢を語れる青少年の存在は持続可能な力強い郷土の基盤になる。継続事業で行っているわんぱく相撲は、真剣に取組む姿勢や礼節、思いやりなど多くの人間力などを育む青少年育成事業だ。良い結果が生まれる事もあれば、時に力が及ばない事もある。成功体験も挫折体験も子供時代に経験すべき貴重なキャリアだ。失敗を恐れず挑戦を続ける輝いた大人になれるよう、子供たちの成長の起点を生み出そう。
円滑なLOM運営
メンバーの誰もが、仕事や子育てなど多層的なキャリアを両立して日々懸命に活動している。男性の育児参加や女性の活躍も期待される今の時代、これまで以上に参加しやすい会議形態や委員会運営を行う事は不可欠だ。諸規定の見直しや組織運営の効率化、IT等の先進的な技術を積極的に活用することで、円滑なLOM運営を目指し、懸命に活動をしている一人ひとりの時間をより有意義なものにしていこう。一方で、先人が築いてきた組織文化やプロセスには背景があり理由があり、手間暇をしっかりとかけることで見えてくるものがある。なかでも仲間と本音で向き合って議論すること、目標に向かって協働すること、その結果生まれる固い絆はJCの核心だ。また、東近江青年会議所は公益社団法人として一定の社会的責任がある。公益法(公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律)のルールに従った厳格な法人運営を行う必要がある。LOM運営における各プロセスの目的を意識し本質を考えたうえで、時代に合う手法を取り入れ、洗練された組織運営を追求していこう。
広報交流活動
年間を通じて行う様々な事業は、告知や実施報告などの広報活動を正確かつ迅速に実施してこそ価値をさらに増す。誰もがリアルタイムな情報を共有する時代、最適な手法を選択したスピーディな広報活動と内外との相互交流が必要である。まずは、家庭や職場など多くの時間を共にする人に、私たちの活動内容や意義を伝えよう。日頃から熱意をもって周囲に活動を語り、協力への感謝を伝えることで、更なる共感と後押しが生まれるのではないだろうか。これは、一人ひとりにできる最も身近なJC運動だ。広報交流活動には大きな目的がある。日々、活動目的や目指すべき理想を発信し、地域に伝播させていくことだ。私たちの想いを市民の心に届けることで、心を動かし、地域を変えていこう。
拡大活動
5年先10年先、その先を想像してみよう。いま現役の私たちはどうなっているだろう。明るく豊かな社会の実現は長期戦だ。永続的な運動展開のためには拡大は必須である。そして今、多くの仲間と貴重な経験ができるのは先人の拡大活動の賜物である。自分がやらなくても誰かがやってくれるというものではない。皆が自分事と捉えて拡大に励もう。郷土の未来をつくるには、一人でも多くの同志が必要だ。拡大活動は組織を維持することだけが目的ではない。人の心を動かす事業だ。新しい世界に飛び込むのは誰だってはじめは躊躇するだろう。しかし、JCの魅力を愛情もって語ることで、きっと心を動かすことができるはずだ。
結びに
人生には想像もしないことが起きる。良いこともそうでないことも、人生においては彩だ。すべてを糧にして前に進もう。今しかないキャリア、JAYCEE。いつの日か、私たちは振り返るときが来る。情熱を持って仲間と過ごした時間は、将来眩しく輝いてみえることだろう。仲間のため、地域のために全力を尽くした経験もきっと財産になる。まずは自らを変え、まわりを変え、地域を変えよう。覚悟を持って一歩を踏み出せば、想いは伝播し、ムーブメントが起きる。世の中は私たちの力で変えることができる。
公益社団法人東近江青年会議所
2022年度スローガン
ライフ・キャリア・レインボー
―彩輝く豊かな未来にPositive change―
基本方針
1. 多層的に彩輝く前向きなリーダーの育成
1. 郷土の豊かな未来を築くまちづくり
1. 自ら未来を切り開く自立した青少年の育成
1. 当事者意識で心を動かす拡大事業
1. 心に届ける広報活動と相互交流
1. 愛をもって友を思いやる強固な組織づくり
1. 公益法人としての厳格な運営と能率的組織運営