理事長所信

公益社団法人東近江青年会議所

第18代理事長 藤野 重之

はじめに

 現代社会はVUCAの時代と言われます。「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」の 4 つの単語で表され、社会を取り巻く環境の変化が著しく予測が困難な状況を指しています。状況変化を素早く察知し、時代に応じた組織と行動を柔軟に変化させることが求められます。
 青年会議所は、今までもこれからも会員が自己成長し内外に積極的に変化を追い求めることで、地域社会のひとが変わり、そのひとが社会をよりよくしていくと信じ日々運動をしています。では「ひと」とは誰を指すのでしょうか。よりよくするための起点は他の誰でもないあなた自身です。社会を望む姿に向けて変化するためには、その第一歩をあなた自身が勇気をもって踏み出さなければいけません。しかし、現代社会において変化することはVUCAに表されるように不安がつきまといます。その不安に押しつぶされそうになり、目線が下がり、歩みをとめてしまいたくなる時もあるでしょう。そんな時は、あなたのことを気にかけてくれたり、支えてくれたり、時には叱咤激励をしてくれる仲間がいることを思い出してください。同じ志を持った仲間がいることで、どんな時も力強く一歩を踏み出すことができます。
 我々の地域にも根付いている能楽や茶道の文化に「一座建立」という言葉があります。主客が心を寄せ合い一体化することで充実した場となるという考えです。我々青年会議所は、豊かな才能を持ち、多様なスキルを持った会員が集まっています。その会員の力を最大限に発揮するためには、互いを尊重し、同じ目標に向かって心を寄せ、敬意と感謝をもって何事にも取り組んでいかねばなりません。そうすることで、一丸となって未来に向けて歩みを進めることができます。
 そして今一度、中期ビジョン2020~「今」を「新しい明日」につなげる~に則り、現状を振り返り、未来を見つめ、ヒト・モノ・コトの本質を見極め、「修練・奉仕・友情」の三信条を胸に仲間と共に歩みを進めましょう。

ひとづくり

 青年会議所をはじめ様々な組織において共通の課題として人財の成長があげられます。青年経済人として、時にリーダーとして、我々の役割は単に人財を見い出すことだけではありません。それ以上に重要な役割は、人財が成長できる環境や機会を創り出すことではないでしょうか。ひとが変化するとは、これまでと違う状態にアップデートするということであり、つまりは成長と言い換えることができます。そして、青年会議所とは成長の機会を提供する場でもあります。
 仲間とともに学び、互いに研鑚しながら、自分自身から変わるのだという姿勢を示し行動していきましょう。我々一人ひとりが魅力的であれば、それはすなわち東近江青年会議所という一座の魅力となります。

まちづくり

 まちの現状と地域に望む未来像にはギャップがあるはずです。そのギャップを埋める運動がまちづくりだと考えます。そして、まちを変えるのはその地域にかかわるひと自身です。では、ひとが自分ごととして地域を変えようとするためには、我々のまちづくり事業である二五八祭はどうあるべきか。二五八祭独自の価値を見直しましょう。さらに、まちづくりには積極的な行政・関係諸団体との連携が欠かせません。情報交換を密にし、関係を強固にすることで、二五八祭という舞台はより輝きを増すはずです。

夢づくり 

 我々の考える夢とは青少年の未来であり、青少年の未来は地域の未来だと考えます。青少年が活躍できる機会を創出し、育成し、この地域の輝かしい未来を創り出していくことが我々大人の責務です。青少年は無限に変化する可能性を内包しています。そしてその可能性に大きく影響を与えるのが我々大人です。年齢やキャリアを積むにつれ、過去の実績や経験に囚われてしまい、そして愛故に先んじて変化の可能性を否定してしまいがちです。しかし、変化なくして成長はありません。青少年の成長を願うのならば、我々大人も可能性を信じ青少年の未来のために変わりましょう。大人が変化を受け入れる姿は、青少年にもポジティブな影響を与えられるはずです。青少年と大人が互いに心を寄せ合い、ともに成長する好循環を生み出しましょう。

円滑なLOM運営

 会員が力を合わせて舞台を創り上げていくために、まずは足場を固めることが重要です。今年度は滋賀ブロック大会主管の年です。滋賀ブロック協議会や各地青年会議所と積極的に情報連携し、会員がスムーズな情報交換や円滑なコミュニケーションを図れるよう様々なルールの見直しや改善をしていきましょう。過去の軌跡を尊重しつつ、未来のために必要であるならば、大胆に変えていきましょう。
また、多くのつながりが青年会議所の魅力のひとつといえます。そのつながりを生み出すために、継続的な広報を行いましょう。発信し続けることで、共感者を増やし、主客一体となった運動を展開することにつながり、その魅力を一層増すことができます。

一座建立の拡大活動

 2024年度も多くの卒業生を迎えることになります。我々が力強く積極的な青年会議所運動・活動を行っていくためには、会員の拡大は必須です。今年度は拡大の委員会は設けません。拡大対象者に青年会議所の魅力を伝えることができるのは、他でもない会員であるあなた自身だからです。
ひとはひとの中で磨かれるものです。仲間が増えることは、それだけ多くの学びと成長の機会を得られ、その分より充実した一座を創り上げることができます。そのためにも組織の枠を超えて、活発な情報交換を行い会員拡大に全員で取り組みよりインパクトのある舞台を創り上げましょう。

滋賀ブロック大会主管に向けて

 今年度は、滋賀ブロック大会の主管を務めます。青年会議所の運動・活動を広く地域社会に伝播する機会であるとともに、東近江青年会議所が組織の枠を超えて同じ目標に向かって絆を深める絶好の機会と考えます。昨年度よりブロック大会に向けて一丸となって取り組むという想いの火種を引き継ぎました。そして会員一人ひとりのブロック大会を成功させるという今年度の火を結集させ燃え盛る炎にしましょう。その熱気を県内各地会員や地域に伝播し、主客一体となって舞台を創り上げましょう。

結びに

 最初にVUCAの時代とお伝えしましたが、青年会議所の目指す「明るい豊かな社会の実現」も時代に合わせて変化する正解のない目標であるといえます。それを日々追い求めている我々は、元より本質的にVUCAに対応する素養があるのです。現状を振り返り、「ヒト・モノ・コト」の本質を追求し、仲間とともに目線を未来に向け議論を尽くしていきましょう。
 我々は豊かな才能と多様なスキルを持ち同じ志を持って集まった青年の一座です。この一座において舞台に立つ者だけが主人公ではありません。一人ひとりが同じ目標に向けて心を寄せ合い、その力を最大限発揮していくことで最高の舞台を築くことができるでしょう。
 今年度という大舞台を終えたとき、その舞台からしか見えない最高の景色をメンバーとともに見られると信じています。

公益社団法人東近江青年会議所

2024年度スローガン

一 座 建 立

~ あなたと創り上げる最高の舞台 ~

基本方針

1.相互に高め合い、当事者意識で取り組む積極的な会員拡大
1.地域とともにあり、地域に価値あるまちづくり
1.会員が力強く躍動するための足場を固める基盤づくり
1.大人と青少年が一体となって行う青少年育成
1.主客一体となる滋賀ブロック大会の主管